兵庫県議会議員 浜田知昭

■思い(所信表明・施政方針) 兵庫県議会議員 浜田知昭

4月10日に投票があり、当選が決まりました。
しかし、実際には、6月11日からが正式な任期になります。
この原因は、平成7年の阪神淡路大震災にあります。震災は1月17日だったのですが、
統一地方選は、いつも年度を跨いで実施されることが多いのです。
しかし、避難者も多く、とても選挙をできるような状況ではないということで、
選挙を2か月間伸ばしました。その時、特例で議員の任期を2か月間伸ばしたのです。
その次の選挙から、統一地方選ということで、多くの都道府県と同じ日に選挙は行われましたが、
任期はそのままで、是正されていません。
是正をしようという声もあったようですが、2か月間任期を短くすることで議員年金をもらえなくなる人が出てしまう。
ほかの要因もあったのしょうが、そんなことで今もそのままになっています。
ですから、当選が決まってから就任まで2か月間の時間がありました。
この時間をどう利用するのか、どう理解するのかでは、大きな差が出ると思います。
神戸市議会の、ある新人議員は、失業中だから新聞の折り込みのアルバイトをしています。
そんなことをテレビで言っていました。
私は、当選が決まってからしばらくして、自民党の県議団から入団のお誘いをいただき、入団いたしました。
これからの議員活動を考えると、政策を提言して、それを具現化していくには、多くの仲間を作って、
力を合わせて頑張っていかないと絵に描いた餅に終わってしまう。そう考えたからです。
で、自民党の県議団に入って、驚いたのは、その勉強量と議員活動の原点をきっちりと持っているということです。
勉強会や、議論を頻繁に行って、問題点や課題を明確にしようとする姿勢と情熱は予想外でした。
1か月間は、こうした勉強会や意見交換会に参加させていただき、議員活動の基本というものを
しっかりと勉強することができたと思っています。
いわば、議員として離陸するために、しっかりと助走できたのでないかと。助走が十分でなければ
離陸したとたんに墜落、そんなことになったかも知れません。危機や短所をいかに有効に利用して、
今後につなげるか。そんな勉強ができたのではないかと思っています。
6月11日、兵庫県議会議員になることができました。そして、6月15日から本会議が始まりました。
普通でしたら、まず臨時会を開いて役員改選だけをする。そのあと定例会を開催する。
そんなスケジュールになるのですが、即、定例会ということになりました。
ですから6月中は、土日以外は、神戸という生活でした。昔は議員宿舎もあったそうですが、
今はありませんので車かバスで通う。夜遅くなったり朝の早い会議が入っていれば、ホテルに泊まる。
そういうことをしております。
県議になって、何が大変ですかと、よく言われることがあります。
何が大変かということではなく、副市長の時とどんな差があるのかということで少しお話をしたいと思います。
市長も副市長も一緒ですが、一番の違いは、スタッフがいるかどうかでないかと思います。
役割分担された優秀なスタッフがおりますので、方針というものを明確にしておけば全てやってくれる。
市長や副市長が動きやすいようにスケジュールも管理してくれる。場合によっては、あいさつの骨子も教えてくれる。
しかし、県議は、何もかも一人でやらないといけない。
そんなことは初めからわかっていたのですが、いざやってみると、これが結構大変なのです。
大きな問題や課題に対する情報収集などは、自民党の県議団にスタッフがいるのでやってもらえます。
地域の行事や集会も案内をいただければわかりますが、一番不足するのが、地域の情報です。
選挙の時、ある人が言っていたことがあります。それは、選挙というのは迷惑をかければかけるほど、
みんな力が入ってくると。でも、これ以上迷惑をかけてはいけないのではという気持ちが強かったのは本当です。
今は、少し考え方を変えようと思っています。迷惑をかけることによって、ひょっとすれば、
県政にもっと関心を持ってもらえるのではないか。
私にとっても、市民の皆さんとの対話が増え、対話を通して政策提言のヒントも掴めるのではないか。
自分勝手にそんな判断をして少し、皆さんに迷惑をかけようかなと思っています。
3月11日、東日本大震災がありました。マグニチュード9.0というような想定外のもので、
大変な人的、物的被害がありました。
日本中、同じような震災や津波があるかもしれないということで、今、国や地方自治体は防災計画を見直しを進めています。
兵庫県も今までの津波予想を2倍と見積もって、作業を進めておりますが、
知事は過去の最大級の地震や津波には物理的の防災対応をします。
しかし1000年若しくは2000年単位の想定外の対応については逃げることが基本だといっています。
洲本での過去最大級の地震が起きた時、これは東海、東南海、南海地震が連動で起きた時、
これはマグニチュード8.4で洲本の津波高は2.1メートル。洲本の防潮堤は2.9メートルで整備しているので、まあ対応できる。
しかし、2倍と想定した時は、3.55メートルになります。2倍だったら4.2メートルだと思うかもしれませんが、
2.1メートルの中には0.65メートルの満潮高が含まれており、津波高は1.45メートルであります。
2倍というのは、1.45メートルの2倍プラス満潮高0.65メートルの3.55メートルということです。
ですから2倍の時は、最悪の満潮時で55センチがオーバーしてしまうことになります。
よく、県病、なんであんな危ないところに建てるのというような話を聞きますが、
非常時に医療活動の拠点としての機能を確実に確保するため、県では地盤を1メートルかさ上げしたうえで、
1.5メートルの防潮壁で周囲を囲む計画をしております。併せて災害時には避難場所としても活用する。
そんなことを考えております。色々な考えの方がおりますが、今はその方向です。
東日本大震災の時、淡路島でも避難勧告が出ました。全国の各地でも出ました。
しかし、実際に避難した人は、ほとんどおりませんでした。
また、先日の台風12号の時も、こんな被害が起こるとは思わなかった。
あるいは、避難勧告も出なかった。という思いの中で結果的に被害が起こってしまった。
こういったことをなくするための避難ということを私は訴えてまいりたいと考えております。
実際に避難勧告や避難指示が出ても、なかなか避難しない。したくないという現実もあります。
そして、もし避難して何もなかったら、しんどい目をさせられたとか、損をしたというような声を聴かされることがあります。
何もなかったら、お互いに、良かったなというのが普通ではないかと思うのでありますが、そうではない。
不思議ですよね。
自助、共助、公助という言葉があります。まず、自分の命は自分で守るということを基本に考えないと、
事故が起こってからでは遅いのです。
例えば、震度5とかマグニチュード7以上の地震が来たら、必ず高台へ逃げる。
あるいは、連続雨量が200ミリ若しくは、時間雨量が40ミリを超えたら、避難勧告や指示が出なくっても安全な所へ逃げる。
それも、危険があまり高まっていない時期に逃げる。そういう風に、ある一定の数値を超えたら、
自らの意志で逃げるような習慣を作る。そして、何もなかったら、皆でよかったねと言える、
そんな風潮が生まれなければ、こういったルールは確立できないのではないでしょうか。
しんどい、損をした。これでは駄目ですね。
今、兵庫県では、今年度中に受動喫煙防止条例、これは仮称ですが、そんな条例を作ろうという動きがあります。
受動喫煙という言葉は皆さんご存知ですか。意図しない他人の煙草の煙を吸わされる。そのことで健康被害を受ける。
それをどうして防止するのか、条例でルールを作ろうという動きです。
先般、この条例の骨子が発表されたのですが、これに対しまして、多くの団体などから色々な意見が寄せられています。
週刊誌にも批判的な記事が載せられていました。
極端な意見としては、この条例は、受動喫煙防止条例ではなく、受動喫煙防止条例に名を借りた禁煙条例だと。
今の世の中の流れは、受動喫煙を防止する取り組みが必要だと誰もが思っている。
そういう流れの中で、民間の事業者も、色々な工夫や取り組みをしている。
喫煙者も皆に遠慮をして迷惑をかけないような吸い方を心がけている。
多くの人たちは、そう思っているのだと思います。
そんな時、上から頭越しに強制的に押し付けられる。
これに対する反発やアレルギー反応が起きているのかなと思うのでありますが、
健康被害に対する明確な裏付けがないことも一つの要因と考えられます。
たばこ税がどれだけあるかというのは、これは数字的にはっきりしています。
でも煙草が原因の医療費、これはどれだけということは数字的には不明瞭です。
なんとなく健康を害しているのではとか、医者が煙草をやめなさいというから健康にはよくない。
そういう感じだと思います。
規制の内容は、公共性の高い施設については、禁煙若しくは物理的な分煙を義務付けるものですが、
もちろん特例や暫定措置が認められております。
しかし、理容店や美容院などの小規模なサービス業も含まれており、そんな小さな事業所で、
実質的に分煙スペースを作るのは難しいし、苦しい経営の中で費用を捻出するのは大変だ。補助もない中では、
事業の継続も無理である。そんな意見も多く寄せられている。
そういった意見の中でも一番多いのが、なぜ今、兵庫県だけがそういう条例を制定しなければならないのか。
兵庫県だけが先行すれば、観光客も隣接の大阪府、岡山県、徳島県などに流れてしまう。
認められる対策が禁煙か物理的な分煙。そんなことをすれば、兵庫県の経済も大変だ。そんな意見です。
実は、全国的には、昨年4月に神奈川県が同じような条例を制定しています。
自民党の県議団の一部が、神奈川県の状況を調査していますが、いまだに民間事業者の反対もあり、
行政経費もそれなりにかかっているという結果が出ていますが、
観光客の動きに変化があったような結果は確認されていません。
時代の流れの中では、やむを得ない部分があると誰もが思っているのでありますが、すぐに受動喫煙防止条例ではなく、
まず第一段階として、もっと周知や啓発をする条例を制定し、自主的な取り組みを促し、
第二段階として防止条例を制定する。そのほうが、結果的にスムースに早く浸透するのではないかというような意見。
あるいは、関西地域が連携して、若しくは関西広域連合で取り組んでもらえるのなら良いのでは。
といった意見が出ております。
いずれにいたしましても、知事や議会は難しい舵取りをしなければならないことになるのではと思っています。
県議会では、もっといろいろな意見を聞いて、議論をしようということになっています。
是非、皆さんもご意見を寄せていただきたいと思っています。
私は、県議会では、農政環境常任委員会に所属しています。
希望してこの常任委員会に入れてもらっておりますが、それには理由があります。
皆さんは、第6次産業という言葉を聞いたことがありますか。第1次産業、第2次産業、第3次産業。
この言葉はよく聞いていることと思います。
1と2と3。これは、かけても足しても6ですよね。そこから第6次産業という言葉が生まれたのですが、
1次、2次、3次産業の連携といいましょうかコラボレーションによって、新しい産業や雇用を作っていこうとする考え方です。
今までも、色々なところで、そういう試みはされておりましたが、これを6次産業という表現をしだしたのは、最近のことだと思います。
わかりやすい例を申し上げますと、たとえば酪農を想像してください。
最初のころは、乳を搾って、それを集乳所へ持っていく。メーカーの車がこれを集めて工場で
牛乳や乳製品に加工して出荷する。そんな状況でした。
次の段階として、酪農農業協同組合や個人で加工して出荷する。
そういう努力は結構全国的に行われてきました。
あるいは、漁業協同組合などは、旬の新鮮な地元の魚介類を使って食事を提供する施設を経営したりしている例もあります。
こういった手法も大事ですが、まったくの異業種が連携して、加工やサービスをやっていくといった取り組みが、
これからは求められているのではないかと思っています。
例えば、生産者と町の鉄工所が知恵を出し合って、生産物をより付加価値の高い製品に加工する。
あるいは、生産者とサービス業が一緒になって素材を生かしたおいしい食事を観光客に提供する。
そういった事業が島内のあちこちで起こってくる。そして、それが観光資源とネットワーク化されて人の動きが出てくる。
人の動きが出てくれば、にぎやかになりお金の動きも活発化する。淡路島へ一度行ってみよう。
そんなことになるんではないかと思っています。
そこで大事なことは、島民の皆さんのやる気を大切にすることであります。
やる気のある皆さんをどうやって支援していくかが淡路島の将来を左右するといっても過言ではありません。
今の兵庫県の財政事情は、決して良いとは言えません。
大きな要因は、阪神淡路大震災の復興を借金でやりましたが、今も大きな負担になっているということでありますが、
もう少しの辛抱が必要ということであります。
従いまして、高額な補助金を出すというような政策は、まず期待できません。
しかし、何かをしたいと思ってはいるが、最後の決断で少し迷っている。そんな時、少し、背中を押してくれる。
行政が、そんな対応をしてくれたら、一歩踏み出そうとする人が増えてくるのではと思うのであります。
今までの行政のやり方は、まず成功ありき。悪く行っても失敗はしない。
そんな事業にしか補助金を出さない。支援をしない。そういうやり方だったと思います。
しかし、これからは、失敗しても、やる気とか一歩踏み出す勇気を大切にする。失敗をしても、
それを糧にする、踏み台にする、宝にして将来に生かす。
いずれにしても、次の展開がある、どんどん核分裂を起こしていく、そんな政策を実現できないかと考え、
提案をしていきたいと思っています。しかし、一人では無理です。
色々な人の知恵を借りることが大切だと思っています。
皆さんは、島外から淡路島へ来た人から、「おいしい魚を食べれるところはないの」、
「地元で採れた魚はどこで買えばいいの」というようなことを尋ねられたことはありませんか。
そのとき、どう答えました。返事に困りますよね。
漁業者と食事を提供する業者が、そんな店を出したいといった時、少し行政の後押しがあれば、
実現するかもしれません。そういう支援ができないか、どんな支援が可能なのか、
皆で知恵を出していこうということであります
次は、高田屋嘉兵衛翁の顕彰であります。嘉兵衛翁は淡路島が生んだ偉人であります。
北前船での北海道函館の開拓、択捉航路の開設、ロシアとの武力衝突の回避を図るなど、
商人として、そして外交官としての功績は、歴史的には、日本でも一二を争う人物であります。
しかし、淡路島では、子供たちを中心に、あまり知られていない。そんな現状があります。
この偉大な人物の生きざまを通じて、今の子供たちに夢や希望を持ってもらう。そんなことが大切だと思っています。
子供たちに「尊敬する人物は誰」と尋ねた時、「お父さん」や「お母さん」では、あまりにも淋しい気がします。
もちろん、それも大事ですが、それでは、淋しいと思うのは、私だけでしょうか。
洲本市の小学校で「私たちの町洲本」という社会の副読本があります。
もっと、洲本の子供たちに高田屋嘉兵衛のことを知ってもらうため、さらに充実した内容になるよう
働きかけていきたいと思っています。
もう一つ、以前、高田屋嘉兵衛の生涯を大河ドラマで取り上げてもらいたいというような運動をしたことがありますが、
残念ながら実現しませんでした。その代り、NHKが大型時代劇として制作、放映したドラマがあります。
竹中直人と鶴田まゆが主演した菜の花の沖という6時間ぐらいの作品ですが、これを再放送できないかと思っております。
再放送といっても、淡路島テレビジョンで市内だけの放送になりますが、
放送料が相当必要になりますので、淡路島テレビジョンなど、関係者の皆さんと連携して交渉を進めたいと思っています。

私は皆様のお声を必ず県政に届けます。
ぜひこれからの議会人生の全てを皆さまと共に歩まさせて頂こうと思っております。
宜しくお願い致します。
浜田知昭

兵庫県議会議員 浜田知昭事務所
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